ASHERA for Web 説明書

ブラウザで遊べるリバーシです。AI「ASHERA」と対戦できます。

1. はじめに

ASHERA for Web は、ブラウザだけで動くリバーシです。AIは、定石 → 終盤の完全読み → 中盤の探索 の順で手を決めます。評価関数は、Egaroucid の学習データ約500万局分で学習しました(詳しくは 5章)。

対局はあなたのブラウザの中で処理されます。対局内容や棋譜を、サーバーへ送信・保存することはありません(定石・評価関数のファイルを読み込むときの通信だけです)。

2. 遊び方

  1. ページを開くと、すぐに対局が始まります。最初は、あなたが黒(先手)です。
  2. あなた: 黒(先手) / あなた: 白(後手) のボタンを押すと、その色で新しい対局が始まります。白を選ぶと、AIが先に打ちます。
  3. 新規対局 ボタンで、今の色のまま最初からやり直せます。
  4. あなたの番では、打てるマスに小さな点が表示されます。そのマスをクリック(タップ)すると石が置かれます。直前に打たれた手には、赤い点()が付きます。
  5. パス: 打てる場所がない側は、自動でパスになります。画面に「【あなたは打てる場所がないためパス】」「【AIはパス】」と表示されます。
  6. 双方が打てなくなると終局です。勝敗が表示されます。
「待った」(やり直し)の機能はありません。

3. 画面の見方

表示内容
● 黒 / ○ 白それぞれの石の数です。
あなたの番です / AI思考中…今の状況です。AIが考えている間は、盤を押しても受け付けません。
形勢AIが手を決めるたびに更新されます。「予想N石差」は探索による予想値です。「N石差(完全読み)」は、終局まで読み切った値(双方が最善を尽くした場合の最終石差)です。かっこ内は、その値の根拠(定石の評価・中盤の評価・完全読み)です。
評価値グラフ横軸が手数、縦軸が黒から見た予想石差です(上が黒有利)。AIが局面を評価するたびに点が加わり、終局すると最終石差が加わります。
AIの情報(タグ付きの1行)どの方法で手を決めたかを表します。Edax定石(Edax形式の定石ファイル)、定石(内蔵の簡易定石)、終盤・完全読み、中盤・パターン評価のいずれかです。中盤では探索の深さ、使ったスレッド数、完全読みでは読み切りにかかった時間も表示されます。
棋譜これまでの手を f5d6c3… の形式で表示します(パスは書きません)。コピーボタンでクリップボードにコピーできます。コピーできない環境では、棋譜が入ったダイアログが開くので、そこからコピーしてください。
読込の状態(画面下の小さな文字)定石ファイル・パターン評価ファイルを読み込めたかどうかを表示します。

4. AIの考え方

AIは、手番ごとに次の順で手を決めます。

  1. 定石: 序盤で定石に載っている局面なら、その手を打ちます。
  2. 終盤の完全読み: 空きマスが20個以下になったら、終局までのすべての手順を読んで、最善手を決めます。3秒以内に読み切れなかったときは、中盤の探索に切り替えます。
  3. 中盤の探索: 先読みの深さを少しずつ増やしながら、1.3秒の間に、できるだけ深く読みます。
場面手を打つまでの時間
中盤思考時間 1.3秒
終盤(完全読み)読み切れるまで(上限3秒)。一瞬で読み切れる場合も、打つまでに最低0.3秒かけます。
定石の手打つまでに0.3秒かけます。
あなたがパスして、AIが続けて打つとき手と手の間を0.3秒あけます。

AIは、お使いのパソコンの論理スレッド数に応じて、複数のスレッドで読みます(最低2スレッド)。スレッド数は画面のAI情報に表示されます。

5. 評価関数と学習データ

中盤の探索の終わりの局面は、評価関数で「黒と白のどちらがどれだけ有利か(最終石差の予想)」を点数にします。評価関数は、次の2つを足し合わせたものです。

(1) 基本評価

石数ごとに重みを持つ14個の特徴量の合計です。特徴量には、隅・C打ち・X打ちなどのマスの価値、着手可能数、開放度(空きマスに接する石の数)、辺の連なりなどがあります。重みは、Egaroucid の公開対局データ(約50万局・約2,400万局面)から、最終石差を目標にして学習したものです。

(2) パターン評価

盤面の「形」ごとの評価値を、次の範囲で学習した表から引いて加えます。

各マスの状態(空き・自分・相手)の並びごとに評価値があり、石数4個ごとの段階に、別々の表を持ちます。上下左右や斜めに対称な位置は、同じ表を共有します。

学習データ: パターン評価の学習には、Egaroucid の学習データを約500万局分使用しました。各局面について、その局の最終石差を目標に、基本評価で説明しきれない分を、リッジ付き最小二乗法(正則化つきの回帰)で求めています。

評価関数の値は、学習データの棋譜から導いた統計的な予想です。個々の局面で、実際の最善手と一致するとは限りません。

6. 準備するファイル

次のファイルを、すべて同じフォルダ(同じ場所)に置いてください。

ファイル役割無い場合
ashera*.html本体です。―
patline.datパターン評価の表です(版2の形式)。基本評価だけで動きます(AIは弱くなります)。
book.datEdax形式の定石ファイルです。内蔵の簡易定石を使います。
ashera_manual.htmlこの説明書です。説明書のリンクが開けません。
パソコン上のファイルをそのまま(ファイルとして)開くと、ブラウザの制限で patline.dat などを読み込めないことがあります。その場合は、Webサーバーに置いて開いてください。読み込めたかどうかは、画面下の小さな文字で確認できます。

7. 誤操作を防ぐための操作制限

8. よくある質問

Q. AIが一瞬で打つ手と、しばらく考える手があります。

定石や、終盤の短い読み切りは一瞬で決まるので、打つまでに最低0.3秒かけています。中盤は、1.3秒かけて考えます。

Q. 「形勢」の石差は、最終結果と一致しますか?

「(完全読み)」と書かれた値は、双方が最善を尽くした場合の最終石差です。それ以外の「予想」の値は、評価関数による予想で、実際の結果とは違うことがあります。

Q. 途中でパソコンが重くなります。

AIは、パソコンのスレッドをできるだけ使って読みます。ほかのアプリを閉じるか、ブラウザのタブを減らしてください。

9. クレジット・注意事項